よしさんに聞く、ハイパーコンバージドインフラストラクチャについて (1)

2020年05月11日

コロナ・ショックを受け、働き方が大きく変わろうとしている今。
それを支える、ICTインフラも変革期を迎えています。
2016年頃から期待をされてきたプロダクトついて、某大手ICT企業に勤める「よしさん」に
数回にわたって 教えて頂きます。


昨今仮想化技術の進化により、ICTインフラは大きく変革をしています。仮想化は物理的なサーバー構成を論理的に扱える技術であり、物理サーバー上のCPUやメモリといったリソースを仮想サーバーに割り当て、複数サーバーとして扱えるものです。これによってリソースの有効活用、省スペース、スケーラビリティなど様々なメリットも出てきました。

最新の仮想化技術であるハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)は、今まではサーバーとストレージを別々の筐体として管理していたものを、サーバー内蔵ストレージを仮想的にストレージとみなし、サーバー筐体だけで構成をなす、仮想化基盤です。ストレージ筐体が不要になることにより、非常にシンプルな構造になり、管理が簡単になります。 

IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社 エンタープライズインフラストラクチャのシニアマーケットアナリストである宝出 幸久は、「国内ハイパーコンバージドシステム市場は急成長が続いている。今後も仮想化環境の課題を解決するインフラストラクチャとしての需要を中心に普及が進む見込みである。中長期的にはDXによって創出される次世代ワークロードへの対応や、ハイブリッドクラウドの実現といったITインフラ変革を進める上でハイパーコンバージドシステムはますます重要な役割を果たすであろう」と分析しています。(出典:「国内ハイパーコンバージドシステム市場予測、2019年~2023年」)ここでハイパーコンバージドインフラストラクチャーの仕組みやメリットなどを述べていきましょう。 

<仕組み・特徴>
今までの仕組みでは、サーバーとストレージを別の筐体で構成していました。ストレージ専用の筐体を利用することによりデータ保全のための信頼性を確保し、複数サーバーでひとつの信頼性の高いストレージを共有するというメリットがありました。
ストレージはサーバーとは別の筐体となるため、インターフェースボード、ケーブル、通信チャネルなどが必要で、ものによっては別途専用コンソール、管理ソフトウェアなども必要です。これらは冗長性のためすべて2重化する必要もあり、導入コストと管理コスト、また管理要員のスキルなども別途必要でした。

ハイパーコンバージドインフラストラクチャーの仕組みでは、外部ストレージを基本的に必要としません。新しいSDS(Software Defined Storage)という技術によって、サーバーの筐体にある内蔵ストレージを複数のサーバーをまたがってひとつの仮想ストレージとしてみなすことができるようになりました。これにより、別筐体で必要であった外部接続のストレージがいらなくなり、外部ストレージとそれにまつわる、インターフェースボード、ケーブル、通信チャネル、管理ソフトウェアなどが一切不要となりました。

(イメージ)


次回に続く....